2024.5.24韮崎巡検

2024年5月24日に韮崎巡検を実施しました。



夏の到来を予感させる暑さを感じるものの、快晴の下で巨摩郡流通・経済の中心地として栄えた韮崎市をめぐりました。


なお、今回の韮崎巡検は韮崎市観光協会を初めとして様々な方々の協力をもって実現することができましたが、本記録中では筆者の能力不足と、活動記録としての側面により その全てをご紹介することができませんでした。

韮崎市についての広範かつ正確な知識については、実際に現地へ足を運んでいただくか、韮崎市公式HP韮崎市観光ナビを是非併せてご覧ください。



集合は午前十時、韮崎駅改札前にて結集し、韮崎市民センター二コリ前にて韮崎市のツアーを請け負ってくださった、 韮崎観光協会の方々と合流。 参加学生の一部は渋滞などのトラブルで定刻に間に合わない者も居ましたが、全体の進行は滞りなく進めて頂きました。


巡検の初めには、韮崎駅前にて過去の韮崎駅近辺の歴史を伺いました。

過去の韮崎駅の立地が現在と異なった事、地元の学校の立地の変化等、 ただ散策するのみでは得られない知識を教示して頂きました。

韮崎駅を出発して南へ歩き出すと、間もなく「通開運」「学問の道」と、我々大学の学徒が拝み倒すべき文字の記載された鳥居が見えてきます。


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この先にはかの太宰府天満宮・菅原道真公にゆかりを持つ飛松伝説、その跡地が祀られており、塀の中の祠にその存在を認められました。


さて、韮崎市内ではところどころでこのような地面に埋設されている、穴の開いた石を見かけることができます。


gazou この用途は初見では様々な説が考えられますが、折角なのでクイズ形式で紹介したいと思います。


1.道祖神や地蔵のような信仰の産物。


2.ある種の目印。


3.馬などの手綱をくくる、係留のためのもの。



    道中のアスファルトに立ち揺らぐ陽炎を指して、身を焼く日差しを嘆いたり。
    周辺の地名、特に釜無川などについてその来歴を推察しているうちに駅からもっとも離れた目的地、「姫宮神社」に到着しました。


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    この端麗な名前を持つ神社は、「市杵島姫命、湍津姫命、田心姫命」の宗像三女神を主祭神として、800年を超える年月、小高い船山の地から韮崎を見守っているようです。


    むつかしい話はここまでとして、姫宮神社の名物の1つ、「鏡石」について触れます。


    鏡面と化すまでつるっつるに磨かれた石ということではなく、中央に綺麗な穴がくりぬかれている、立幅にして60cmほどはあろうかという石造物です。


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    先に紹介した「馬つなぎ石」の上位互換かと思いきや、実際の用途は、


    その計算された形状・設置位置・角度によって覗き込むことで遠方の富士山を丸い額縁の中に望むことができるそうです。


    残念ながら先人の知恵も夏の白んだ空気には能わず、鏡石は富士山の手前に鎮座する日蔭山などであろう山々を映すばかりでした。


    正直、十分風光明媚な景観を拝むことができましたが、折角の鏡石です。空気の澄んだ冬の間に、また参拝したいと思わせてくれる存在でした。


    続いては、「韮崎宿」の特徴的な構造について記します。


    「韮崎宿」の読んで字のごとく、流通交易の拠点と共に、宿場町としても親しまれていたその市街地には、令和の現在にもその面影を残すものが数多く継承されています。


    その一つが、道路に対して角度をつけて建設された住居の配置です。


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    主に荷下ろしや荷上げ、停泊の為の土地として活用されたそうで、生活の基礎たる家屋の配置からも伝統を感じることができます。


    道中、韮崎宿の歴史ある旅館である、「清水屋旅館」をご紹介頂きました。 弘化二年創業という薄学非才な私にはまるで推測の付かない程の歴史を持つこの旅館(弘化二年は西暦1845年だそうです)は、現在は石鹸なども商われてるそうです。


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    その他にも様々な韮崎の知識を与えて頂きつつ、最後の目的地、「韮崎窟観音」、「雲岸寺」に到着しました。


    その歴史は天長五年(西暦828年)に端を発したとされているそう。


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    この観音様は千体地蔵尊とも呼ばれ、そのうちの一体とは必ず目が合うと言われています。


    こちらで韮崎市観光協会の方々とは解散いたしました。簡便かつ濃厚なツアーを牽引してくださった韮崎市観光協会の方々に感謝し、各人ごとの自由行動に移りました。
    この際、各人ごとあまりにも自由な行動をとったことで、千体地蔵尊を拝みに行くもの、帰路に就くもの、お堂を参拝するもの、すかさず喫煙するもの、昼食を摂りに向かうもの等々…
    大半の足跡を追うことができなくなりましたので、私の視点で活動記録を記します。


    私は岩というかもはや崖と形容される、七里岩の内壁に存在するお地蔵様を参拝することにしました。


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    当然と言えば当然の事ですが、一体一体に手ずから削りだした形跡が見て取れ、当時の人々の信仰や願いに思いをはせることができました。


    けっこうまじまじと拝見したので、百体くらいのお地蔵さまと目が合ったような気がしています。


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    しばらくはそのように時間を費やした後、携帯端末に昼食を摂れるおすすめの店舗情報が入電しましたので、付近の地理研学生と共に向かいました。


    道中【ラムネ】の甘美な響きに引き寄せられて道草を喰いつつ、共有されていた洋食店、「koti」に到着しました。


    なんだかんだ、参加学生の殆どが韮崎市で昼食を摂るべく集まっていました。


    韮崎巡検の感想を言い合ったり、山梨大学地理学研究会に参加した経緯について話してみたりと、和やかに過ごすと各人の注文した料理が配膳され、各々が口にしました。


    私はフィレンツェ風モツ煮のパスタを頂きました。正直、どのあたりがフィレンツェ風なのかさっぱり分かりませんできたが、ワイン瓶を水差しとするおしゃれな店内で食べる 一品は、あまりにも美味であったと記憶しています。


    食事を終えた一行は集合地点であった韮崎駅へと戻り、自家用車、電車、自転車など各々の交通手段で帰路に付きました。午前10時を集合とした韮崎巡検はおよそ14時に終了しました。


    大きなトラブルもなく、ただ韮崎を散策するだけ、ただ書籍を読み耽るだけでは得難い知識を理解しやすい形で紹介してくださった韮崎市観光協会の方々には、改めて感謝の念を表します。



    以下、各種リンクを掲載します。


    韮崎市公式HP
    韮崎市観光ナビ
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